Mosalogy

会社辞めてハーバードの大学院に来ちゃった感じ

グルタミン代謝とT細胞の分化 (Cell. November 1, 2018)

mosaです。

寝る必要があります。なので寝ますが。


www.sciencedirect.com

 

Immunometabolismという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

日本語でいうと免疫代謝学、とでも言うのでしょうか。

 

こういった言い方をすると、大きく二つの分野に分けられると思います。

カラダ全体の代謝と免疫細胞がどのような関係を持っているのか、例えば糖尿病などの病態に免疫細胞がどのような役割を果たしているのかなど。

 

もう一つは、免疫細胞内の代謝経路がその活性化にどう影響しているのか。

 

最近は後者の研究が盛んな気がします。Erika & Edward Pearceはこの分野で有名な先生ご夫婦ですね。奥さんの方は僕が一年生の時に招待講演でいらしたので一緒にお昼ご飯を食べた気がします。

 

 

細胞内のエネルギー代謝といえば糖代謝や酸化的リン酸化が大きな代謝経路で、生化学の教科書を開けば必ず載っている部分ですね。

高校の生物の教科書に載っているはずです。

 

 

自分は大学受験が生物選択じゃなかったので、全く覚えていませんが。

生物はむしろ苦手科目でした。

 

 

まあ今でも苦手なんですけど

 

ーーなんでアメリカで生物学の研究してるんだろうね

 

まあそれはいいとして、他にもアミノ酸だったりの代謝も細胞内では重要で、中でもグルタミンというアミノ酸の代謝はグルタミノリシスとか言われてミトコンドリアでのエネルギー代謝の源になるわけです。

 

このグルタミンの代謝は、がん細胞でも盛んになっているので、この経路を阻害する薬を抗がん剤にしようという動きもあります。

 

今回は、バンダービルト大学の大学院生の研究で、この代謝経路がT細胞の異なる分化を制御している、という内容の論文が出ました。具体的には、この経路を阻害するとTh17という様式への分化が抑えられてTh1という様式への分化が促進する、と。

 

グルタミンがグルタミナーゼ (GLS) という酵素でグルタミン酸へと代謝される。このグルタミン酸が、微妙に異なる機序でTh1とTh17の分化を制御しているっぽいです。α-ケトグルタル酸とか言われてもね、もう全く生化学の授業は覚えていないわけですが、どうやらグルタミン酸からできるこいつがヒストンのメチル化を最終的に制御していてTh1への分化を抑えているらしいです。あとは、グルタチオンによる活性酸素の除去 (グルタチオン抱合とか習った気がする) がTh17の分化に大事らしい。

 

 

細かいところまで読んでないですが、阻害剤を用いた実験とノックアウトマウスでの実験結果が異なる場面がちょいちょいみられるのがポイントでしょうか。細胞内の代謝なので、ある経路が阻害されると他の経路で不足分を補ったりするため、一時的な代謝経路の欠損と永久的な欠損では異なるんでしょうね。

今回は抗がん剤への応用も期待されている薬剤の免疫制御への有用性を示したいというのも一つのセールスポイントだと思うので、阻害剤を用いた実験が主流、というところでしょうか。(まあぶっちゃけそっちの方が早く実験できるから、ってのが大きいんでしょうが。)

 

 

自分がいま考えてる研究もこういうポイントが関わってくる気がするので、目的を意識して実験することが大事かなぁと。自分の場合は阻害剤がないので、何らかの方法で一時的に遺伝子を欠損させる等の工夫が必要になってきますが。

 

 

生化学の教科書、久しぶりに開いてみようかな。

 

てか、大学院生が卒業研究をCellとかに発表しているのを見ると、ヤベェって焦ります。

 

とりあえず焦って寝ます。