Mosalogy

会社辞めてハーバードの大学院に来ちゃった感じ

グラム陽性菌に対するノンカノニカルなインフラマソームの活性化 (Cell. November 1, 2018)

mosaです。

 

今週のCellは色々と面白そう。僕は活字アレルギーという留学生にあるまじき状態なんですが、ざあああっと読んでみたいと思います。

 

ちなみに昨日のScience Translational Medicineに引き続き、今日のScienceにはパーキンソン病がらみの論文が発表されていたと思います。流行らせたいのかな。

 

 

今日読んだ論文はこちら。(もちろん複数本に目を通しているわけだけど)

ac.els-cdn.com

 

 

今のところオープンアクセスなはずです。

昨日はパーキンソン病の病態にNLRP3インフラマソームという炎症性サイトカインを放出するのに大事な複合体が関わっている、という話でしたが、今日はビミョーに違うインフラマソームです。

 

NLRP3をはじめ、AIM2など、ASC-Caspase 1を介してIL-1βの切断と細胞死を引き起こすインフラマソームをカノニカル (標準) なインフラマソームと呼ぶのに対し、Caspase-11を介したインフラマソームをノンカノニカルと呼んだりします。なんでも後から発見された奴はノンカノニカルです。めんどくさいです。

 

後者の発見には今や有名となったバイオテックのGenentechの貢献が非常に大きく、その中でも日本人研究者の貢献が大きいです。

 

 

さて、今回の論文もミシガンの大学からの発表ですが筆頭著者は日本人。複数日本人著者がいることと、大阪大学の人が共著で入ってたりするので、一種の共同研究なんですかね。知ったかで物を語る気はないので「しらね」としか言わないですが、日本人の活躍には嬉しくなりますね。

 

先述のノンカノニカルなインフラマソームは主に細胞質に存在するグラム陰性菌の成分リポ多糖に反応して活性化することが言われています。Caspase-11が直接リポ多糖 (LPS) にくっつくことで、自分自身を切断して活性化する、というのがある程度のコンセンサスなのではないかと思います。

 

今回は、じゃあグラム陽性菌はどうなの?とのことでリステリア菌の感染。どうやらCaspase-11は切断されていそう。ということでみてみると、ホスホジエステラーゼ (PDE) 感受性の成分、中でもリポテイコ酸 (LTA) という成分がCaspase-11の切断を引き起こしていそうだ、とわかったわけです。

 

ただ、LPSの場合とは違いLTAは直接Caspase-11に結合しない (少なくとも検出できない) 。この切断にNLRP6という分子が必要であること、LTAとNLRP6が結合することが示されました。

LPSの時と同様ですが、LTAによって活性化されたCaspase-11もCaspase-1を活性化することがわかり、これがサイトカインの酸性に寄与しているということ。同じくLPSのケースのアナロジーとして、NLRP6やCaspase-11の発現にI型インターフェロンが必要であることが示されています。

 

ただ似て非なるポイントもあって、Caspase-1/11によって切断されるGasdermin Dという分子が、LTAのケースでは検出可能なレベルで切断されず、それに伴う細胞死もみられないということです。また、IL-1βではなくそれといつもセットにされるIL-18というサイトカインが放出されている。実際リステリア菌に感染させたマウスでも、IL-1βではなくIL-18が個体の死に影響している模様。

 

ここら辺のオリジナリティがなぜ引き起こされるのか、というのが今後の研究の興味なのではないかと思います。個人的には、Gasdermin Dの切断が起こらないのになぜIL-18は細胞から放出されるのか。IL-1βとの根本的な違いがあるように感じます。(もうわかってるのかしら。調べてみないとわかんね)

 

 

このへんの分野は全部似ているようで中途半端に違う分子やメカニズムが関わってくるからもう絶対覚えられません笑