Mosalogy

会社辞めてハーバードの大学院に来ちゃった感じ

盲腸と炎症とパーキンソン病 (Science Translational Medicine. October 31 2018)

お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ、mosaです。

日本でもしこれを読んでいる人がいたら、もう11月で街はクリスマスのイルミネーションを始める時期だとは思うんですが。

 

 

いや、シブハロと言われる渋谷のハロウィンがひどいというニュースが主に耳に入ってきますが、川崎のカワハロはいたって平和に楽しくやってます、とかそういうニュースも入ってきて、なんかほっこりします。

 

建ち並ぶ一軒家がハロウィン仕様にデコレーションされてて、仮装をした小さな子供達がカゴを持ってピンポンを鳴らしに行く。そんな風景を渋谷で暴れる若者にはみて欲しいですね。

 

元の文化を理解しないでただイベントに乗っかりはしゃぐ日本人、と言いたいわけじゃなく、そういうほっこり風景をみたらハロウィンの日にトラック横転させようとか思わなくなります、まじで。

 

 

そんなわけで、今日はScience Translational Medicineにパーキンソン病関連の論文が二本発表されていました。

 

stm.sciencemag.org

 

stm.sciencemag.org

 

一つは虫垂と呼ばれる盲腸にくっついた小さな袋状の臓器とパーキンソン病の発症の関連を調べた論文。

虫垂というのは、いわゆる「盲腸」と呼ばれる病気の犯人。虫垂炎と言います。

虫垂は免疫細胞がいっぱいいて、腸内フローラを適切な状態に保つことにも一役買っているんだとか。

 

 

昔から、盲腸を切除した人ではパーキンソン病を発症しにくくなると言われていて、これについて研究がなされてきていました。結果、複数の論文がこの関連を否定しています。

今回は、その関連を肯定的に報告する内容となっているっぽいです。

スウェーデンのデータセットを解析した結果、若い頃に盲腸を切除した田舎の住人は、特にパーキンソン病の発症リスクが軽減するんだとか。

 

健常者の盲腸にもパーキンソン病のホールマークであるα-synucleinの凝集が観察された、のが目玉の発見ぽいです。僕は詳しくないんであごぱっかーん頭ぽっかーんですが。この凝集体が虫垂の炎症の程度によって脳に移行してパーキンソン病を発症するんじゃないかと、そんな風に思われるんですかね。

 

ポイントは、パーキンソン病を診断される結構前に盲腸を切除した人が低リスクっぽくて、遅くに盲腸をとっても発症の (診断の) 割合は変わらないっぽいです。

 

しらね。

とにかくこの研究で、「みんな、盲腸とろうよ!」ということが提唱されたわけではありません。

 

 

 

もう一方は、インフラマソームと呼ばれる炎症の代表役者とも言える複合体がパーキンソン病患者のミクログリアで活性化しているという論文。実際にモデルマウスにNLRP3インフラマソームの阻害剤を投与すると、病態 (行動異常) がクリアに抑えられました。

 

読んだ感想、「え、むしろまだ知られてなかったんだ。」

 

いや、おれ知ってたし、みたいな知ったかではなくて、NLRP3インフラマソームって10年以上前に見つかってからというもの、炎症と呼ばれるものの大体には関わっているという、なんかもうめちゃくちゃな複合体なんで、神経炎症の分野でパーキンソン病との関連も言われてるんだと思ってました。

 

データみて思ったこと。ウェスタンブロットのコントラストいじりすぎ。

怪しまれても文句言えないレベル。と個人的には感じます。

 

ただその他の実験系のデータがクリアなので、おそらく真実なんだとは思いますが。

 

 

こうなってくると、虫垂におけるNLRP3インフラマソームの役割も気になりますね。

例えば後者の論文のモデルマウスで、盲腸を切除したバージョンを用意してNLRP3インフラマソーム阻害剤を投与したら効き具合に差があるのか、とか、思いつきなのであまり論理的な実験ではないですが、面白そうですね。

 

 

 

うん、冒頭のハロウィンの話は全く関係ないですね。