Mosalogy

会社辞めてハーバードの大学院に来ちゃった感じ

マラリア氏「あんま食べてっと殺すよ?」 PNAS. October 5 2018

糖質制限といってお米を食べない代わりに尋常じゃなくオレオ食っちゃう系男子、mosaです。

 

自然免疫といったらCharles Janeway。免疫学の教科書の人。

そしてそこで学んだRuslan Medzhitov。正直Medzhitovの研究室に行ってみたかった。

まあYaleは書類落ちしたけど。

 

ゆーてMedzhitovを知ったのは大学院の時にお世話になっていて個人的に憧れていた (性的な意味でなく) 人が憧れていた教授だったのがきっかけなんですけど。

 

さて、そんな私的あこがれのあこがれだれのがれの研究室から論文が出ました。内容はグルコース代謝とマラリア感染。

 

www.pnas.org

 

人は細菌やウイルスに感染するとあまり食べなくなります。ひどいと拒食気味になったり。こういう人の自然な反応って実は意味があるんじゃないの?ってところに注目して彼らがCell論文を発表したのが今からちょうど2年くらい前。

 

どうやら食事の中でも糖代謝が関わるっぽくて、感染して食べなくなると糖分を摂らなくなるから脂質代謝によるケトン体をエネルギー源にするいわゆるケトジェニックという状態に。要するに感染するとライザップ。

 

実はこの状態は、細菌感染に対する許容を高め、ウイルス感染に対する許容を弱めるらしい。体の中の細菌量とかウイルス量が影響を受けるというより、同じ量の病原体が体内にいた場合どのくらいダメージを受けるか、みたいな感じ。

 

免疫反応というと、どうしても細菌やウイルスを免疫細胞がやっつけるみたいな側面に焦点があたりがちだけど、どのくらい感染したらひどい症状が出てきてしまうのかの閾値、すなわちdisease toleranceという概念に焦点を当てるのが最近の彼らのトレンドなのかと。

こういうコンセプトフレームワークで語りたがるのは師匠譲りなんだろうなって思います。

 

今回の論文はその続編で、じゃあ寄生虫では?という研究。マラリア感染モデルマウスを用いた実験です。主に2-DGというグルコース代謝阻害剤を投与して影響を見ています。

 

 

読んでみた感想。

 

 

短い!Figureも4つ

 

これはいいことです。しかも論調がシンプル。

糖代謝をブロックするとマラリア感染でちょい死にづらくなる。

でも感染が駆逐されているわけでないし、脳内炎症が抑えられているわけでもない。

(データみると若干サイトカイン産生量が増加気味には見えるけど。)

でも色々みてみるとマラリアの症状である血液凝固やそれに伴う血管の詰まりによる出血が抑えられている。

 

「あー、絶食することで同じ感染量でも血液凝固しにくくしてるんかもねー」みたいな流れで。

 

最近の論文って細かくて長ったらしいんですよ。ちょい読む気が失せるというか。

こういうシンプルな論文は読みやすくて好きですね。

 

...素人感丸出しの感想ではありますが。

 

 

ただやっぱりCellに出た頃の方がインパクトあったし、今回は続編ってこともあってPNASなんだと思います。(MedzhitovはNAS (米アカデミー機構) 会員だからPNASに通りやすいんじゃないかな。。)

 

細胞を取り出して似たような実験をしてみても見られない。動物に投与するin vivo実験で初めて見られるこの現象はdisease toleranceを決定づけるメカニズムの解明を難しくしてると思うんで、なんで糖代謝が細菌や寄生虫の閾値を下げてしまうのか、人が食欲減退するのは本当にdisease toleranceをあげるためなのか、などはまだまだわかるのは先のことかもしれないですね。(前回の論文では活性酸素や小胞体ストレスの関与が示唆されてはいたけど)

 

 

今日はちょい真面目かな。

でもね、

 

 

内容間違ってても責任とりませんよ?

バカは隠さず丸出しにするスタイルでやっとりますんで。