Mosalogy

会社辞めてハーバードの大学院に来ちゃった感じ

チーズの科学 ミルクの力、発酵・熟成の神秘  齋藤忠夫

コーヒーに続き、チーズの科学というブルーバックス書籍を読みました。

ブルーバックスばっかり読んで理科好きの中学生か、と思われてもいいのです。

読書が苦手な私はこのレベルから始めているのです。

 

今までの本カテゴリのエントリのように事細かに内容をまとめるということはしないです。

(そうすると書くのに疲れてしまい、本を読むのが苦痛になってしまうから。やっぱり読書は楽しみたいので。)

 

 

個人的には、先日読み終えた『コーヒーの科学』よりもこちらの本の方が断然面白かったです。無駄に歴史や細かい知識を並べることなく、「チーズは食べ物なんだしとりあえずいろいろ食べてみなよ」というスタンスに好感を持てました。内容も、もちろん科学的な視点からチーズについて述べられていますが、詳細に触れすぎず、あくまで「読むとチーズを食べたくなる」ように書かれています。

 

この著者の齋藤先生というのは大学の先生で、「ミルク科学」という授業も担当しているようです。授業では実際にチーズを作ってみて、その凝固プロセスの感動を味わってもらうことを大切にしているそうで、この授業を受けてみたいと思いました。(テストは受けたくないですが。)

 

 

 

 

 

チーズ作りで最も特徴的で興味深いのはなんと言ってもその凝固プロセス。牛乳やその他の乳の凝固を凝乳と呼びますが、ヨーグルト作りとチーズ作りでは凝乳原理が全く異なるのです。どちらも乳酸菌が絡んでいるのに。

 

チーズではレンネットと呼ばれる凝乳酵素群、あるいは代替の凝乳酵素を添加して乳を固めるので、ヨーグルトのような乳酸による凝固と異なり酸っぱくならないのです。

レンネットの主成分であるキモシンが乳酸発酵時の酸性条件でカゼインミセルの表面のペプチド結合を切断することでカゼインミセルの表面が疎水性になり、ミセル同士が結合することで固形化するそうです。

(ちなみにこのレンネットは子牛の胃から作られる酵素で、そもそもチーズの発見自体も、「子牛の胃袋を水筒代わりに牛乳を入れて運んでたら塊が出来上がった」のが最初だとかなんとか。そして胃の中でお母さんの乳を固めることで、小腸を通過する時間を長くして、消化吸収を高めているそうです。)

 

 

 

 

またチーズの塩分って高いなと感じることがあるかと思いますが(実際の割合としては高くないと著者は主張していますが)、これには加塩という熟成型チーズの製造の最終ステップが関わっているようです。20%濃度という非常に濃い食塩水にチーズを1週間弱、あるいは物によっては1ヶ月ほど浸して内部に塩分を送りこみます。

この工程は、味付けのみならず、殺菌や浸透圧によるホエイの排除、乳酸菌やカビの生育のコントロールを目的としています。また味においては、旨味を作るのに役立っているようです。実は我々がよく旨味成分として認識しているグルタミン酸、このままでは酸っぱい味がして、「グルタミン酸ナトリウム」に変化して始めて旨味成分になるようです。食塩はこのナトリウムの供給に役立っているのですね。

 

 

 

とまあ、このような感じで、チーズの製造に関する科学的背景をわかりやすく教えてくれるので、チーズが食べたくて仕方なくなります。

ちなみに本書によると、2014年度調査において、日本国民一人当たりのチーズ消費量は、1位のフランス25.9 g に対して2.3 gと1割にも満たないそうです。僕はフランス人の平均よりチーズを食べている自信があります。笑 

 

 

というわけで、買ってみました。アメリカのスーパーはチーズの種類が豊富です。

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今回買ってみたのは、スイスでチーズの王様と言われているスイス産のエメンタールチーズと、チーズプロフェッショナル協会会長の本間るみ子氏がチーズの王様にふさわしいと提案したイタリアのパルミジャーノ・レッジャーノです。

(ちなみにウィーン会議でのチーズコンテストで満場一致で「王様」に選ばれたのはフランスのブリー・ド・モーという中がとろっとしたチーズです。食べたことがありますが、美味しいですよ)

 

エメンタールチーズは「トムとジェリー」に出てくるようなチーズアイと呼ばれる穴が特徴的なチーズで、プロピオン酸菌と呼ばれる菌で熟成させる際に生じる炭酸ガスによって穴ができるそうです。

もう一つのパルミジャーノ・レッジャーノは、数年という長い熟成期間と40 kgもの堂々とした円筒形の容姿を誇る硬いチーズです。

 

 

エメンタールチーズ、食べてみましたが、あまり味は強くなく、どこかマイルドな甘みを感じます。クラッカーなどと合わせて食べると良さそうです。

 

パルミジャーノ・レッジャーノ、まだ食べてないんです。

なぜかって??

 

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わかりますか?

何も見ないでレジに持って行ったらまさかの20ドル超え!!

 

 

 

対するエメンタールは4ドルくらいでした。

 

 

だから、食べるときは覚悟して味わいたいんです。。

 

 

食品を買うときでも、値段を見ずにレジに持っていくのはやめましょう。。。

 

 

 

ちなみに僕が今までで一番好きなのは、Halloumi (ハロウミ) と呼ばれる、キプロス地方原産のヤギ乳と羊乳のミックスから作られるモッツァレラ様のチーズです。

 

このチーズ、焼いても融けないんです!むしろ焦げ目がついていい感じに。

 

塩分が多いので食べ過ぎにはご注意ですが、焼いたときのモキュモキュした食感としょっぱさがおつまみに最高です。もし見かけたら、騙されたと思って食べてみてください。

 

 

本について書いていたのに、本書とは関係ない話で終わらせるmosaでした。